福山通運健康保険組合

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ニュース&トピックス

[2006/04/21] 
続けて楽しむウオーキング術⑩

-ウオーキングで体力を知る-
 運動の効果としては、持久力や柔軟性の強化、筋力増強、動悸・息切れの解消など様々なものが挙げられます。ウオーキングを続けている私自身、足が軽くなったということに加えて、階段での昇り降りで息切れをしなくなったことにも気が付きました。
 電車に駆け込む大抵の乗客は、肩で荒い息づかいをしています。その中でも、しばらく荒い呼吸が続く人は、普段から体を動かしていない、運動不足の人です。私たちの体は、筋肉を使うことによって、心臓から多くの血液供給をしてもらっています。ですから、体を急に動かすと必要な部分への血液の供給が間に合わないのです。これによって一番起こり得るのが貧血です。急速に心臓を働かすことで、心臓にかなりの負荷を掛けてしまうのです。体のメカニズムを急激な動作に応じさせるには、普段からの体力作りをすることが大切です。いつも乗り物を使っているところを歩いてみたり、歩くペースを速めてみたりと生活する上で自分ができそうなことから試みていくと徐々にではありますが、青息吐息の状態は自然に解消していくでしょう。
 ウオーキングに少し他の運動を加えてみましょう。同じ状態で歩き続けるのに少し飽きたら、敏捷性を付けるためにサイドステップをして、体の緊張感をほぐすことも良いと思います。また、インターバルのようにウオーキングにジョギングを加えて瞬発力を養っていくのも良いでしょう。また、運動終了後の体の温かいうちに、腕立て伏せや腹筋・背筋を行い、慣れてきたら数を増やしていくなど、工夫することで体は鍛えられます。少し広い場所を見つけ、入念に柔軟体操をし、筋肉をほぐすことが大切です。いずれも回数や時間にかかわらず、わずかな空間を利用し、実行してみましょう。色々な運動の試みは体を鍛えるうえで大変大事なことです。
 前回、運動と心拍数のことをお話しました。早速実施されてみたでしょうか。
 心拍数をスタート前と運動終了直後に測定して、その差で運動強度を判定することができます(表I)。運動の「きつさ」の度合いを「主観的作業強度(RPE)」と言います。
 RPEは7~20で表されますが、歩き終わった時に、その日の感じを(RPE)点数で記録しておくと良いと思います。ここに表を作りました。運動前後の心拍数を差し引きし、この表に照らし合わせてみましょう。
心拍数の測定を再度記述させて頂きます。
  (イ)最高心拍数の設定、平均的には(220-年齢)です。最高心拍数には個人差があり±20拍あるので注意。
  (ロ)設定した最高心拍数の70~80%の値が目標の心拍数になります。(220-年齢)×(0・7~0・8%)
  (ハ)最後に個人差±20を加えます。
(1)220-60=160拍
(2)160拍×(0・7~0・8)=112~128拍
それぞれ±20拍で(90~132拍)~(108~148拍)
となります。→最高心拍数90~148拍
 普段の運動不足がどのぐらい自分の体を衰退させているか(表I)で照合すれば一目瞭然です。是非、実施してみましょう(心拍数の増減は運動の時間にもよりますし、体に与える負荷の量によっても異なります)。
 私が現在、皆様に勧めているのは、長時間の運動ではなく、重い負荷の筋肉運動でもなく、短時間に集中して体力の限界、極限を現す運動でもありません。『規則正しい運動』をしようと勧めているのです。ウオーキングをテーマに色々なバリエーションを紹介してきましたが、手軽な運動をウオーキングに付け加え、多くの運動を実施することで、体にプラスになるのではないかと思っています。
 運動不足の現代人は「歩かない」から足が弱っていくといわれています。これを防ぐ方法は「歩く」しかありません。現代の科学では、「歩く」ことが心身の健康を維持増進するうえで有効な運動であることが研究され証明されています。
 健康づくりのためのウオーキングは血液の循環を良くすることが重要です。余りゆっくりでもよくないし、余り早くても良くありません。
 一日に必要なカロリー消費は300kcalだとも言われています。300kcalを歩数に直すと、約一万歩ぐらいに相当します。このため日本人の平均歩数は一日一万歩が運動量の目標値になります。一日に歩く歩数の目安は、一日在宅の人で三千歩、買い物に出掛ける人で五千歩、車で通勤する人は三千歩です。駅まで徒歩通勤の人は八千歩とも言われています。努めて歩けば、目標の一万歩になります。

白鳥 金丸(スポーツライター)

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