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高齢者医療見直し議論始まる
高齢者の増加に伴い、医療費が嵩んでいます。このままいけば、現在32兆円の国民医療費は、2025年には69兆円に膨れ上がると予測され、その大半は、65歳以上の高齢者の医療費です。将来の人口構造を見据えた高齢者医療制度の創設が求められているのです。
社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の医療保険部会では、来年の医療保険制度改革の最大の課題とされる「新たな高齢者医療制度の創設」に向けた本格的な議論が始まっています。厚労省は、医療保険部会での議論を踏まえ、秋口に改革試案(たたき台)を作る予定で、来年の通常国会への法案提出を目指しています。
政府は、平成15年3月に閣議決定された「医療制度改革・基本方針」にもとづき、新制度の対象年齢を75歳以上にする方針です。これに対し健保連は、3月に発表した「新・提言」のなかで、年金や介護保険の給付開始年齢との整合性を図ることから、65歳以上を対象にし、高齢者医療制度を現役世代の一般医療制度とは別建てにすることを主張しています。日本経団連も健保連と同様の考え方に立っていますが、この対象年齢の問題は大きな論点となっています。健保連は、「新・提言」をベースに、みなさんが加入している健保組合の意見を反映させながら、議論に臨んでいます。
これまでの医療制度改革を振り返ると、その場しのぎの財源のつじつま合わせにとどまり、抜本的な改革は先送りにされてきました。しかし、これ以上の先送りは、わが国の医療保険制度の崩壊を招きかねません。そのようなことのないよう、何としても制度改革を実現させる必要があるのです。みなさんも、改革議論の行方に注目してください。
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