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医療用語が分からない経験、約4割─国立国語研究所「外来語に関する意識調査」─
治療を受けるときにお医者さんから受ける説明で、聞き慣れない医療用語がでてくることがあります。
国立国語研究所は「外来語に関する意識調査」をまとめ、発表しました。この調査は、外来語や略語が使われるときの意識を調べるために、全国の15歳以上の男女3090人から回答を得ました。
調査の結果、医師から症状や治療について分かりにくい言葉で説明されたことがあるかどうか聞いたところ、全体の約36・1%の人が「ある」と答えました。
また、別の分かりやすい言葉に言い換えたり、説明がほしい言葉(複数回答可)について聞いたところ、「喀痰細胞診(かくたんさいぼうしん)」や「飛沫(ひまつ)感染」といった専門用語が全体の57・1%、「セカンドオピニオン」(注1)や「プライマリーケア」(注2)と言った外来語が56・5%とそれぞれ約6割近くを占めました。次いでエイズウイルスの略称のHIVといった略語が、47・3%で続きます。
分かりにくい言葉に加えて、私たちの間になじんできていても、内容が正確に伝わっていない専門用語もあります。昨年の同じ調査では、「インフォームドコンセント」(注3)について聞いたところ、「言葉を聞いたことがある」と答えた人は全体の62・2%でしたが、正しい意味を知っていた人は約半分の35・9%でした。医師は、毎日当たり前のように専門用語を使っているため、患者が言葉の意味を理解していないことに気付かないケースがあるのではないでしょうか。
治療を受けている側の患者が、聞き慣れない用語の意味が正しくつかめていないと、治療の道のりでつまづいてしまいます。医療の専門用語は分かりにくい言葉が多くありますので、医師には分かりやすく説明してもらいたいものです。また患者も言葉の意味が分からないときは、医師に確認したり説明を求めるなどの姿勢も大切。医師とのコミュニケーションを図り、安心できる治療を受けましょう。
(注1)セカンドオピニオン・・・・・病気の診断や治療法について、主治医以外の医師に意見を求めること。
(注2)プライマリーケア・・・・・初期診療。
(注3)インフォームドコンセント・・・・・医師による説明と患者や家族の同意。
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