福山通運健康保険組合

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ニュース&トピックス

[2006/02/27] 
めーるぼっくす「ストレスは万病のもと」

 年下の友人が危篤に陥ったという知らせを受けて、驚いた。まだ、37歳。いくら何でも倒れるには早すぎる。一時は医師にも見放される状態になったらしいが、何とか持ち直し、ようやく集中治療室を出て一般病棟に移れることになったと聞いたときには、ホッとして体中の力が抜ける想いだった。

 病名は膵臓(すいぞう)炎。原因はストレスだという。彼の奥さんの御両親がたて続けに亡くなられて、その看護に追われていたことは知っていたから納得はしたものの、つくづく、ストレスとは恐いものだと思った。最近ではガンを誘発する因子としてもストレスが挙げられていて、その研究が進んでいるようだが、現代社会に生きる限り避けて通ることのできないストレスは、場合によっては生命にかかわる病気を引き起こすものでもあるわけだ。

 こうした心が身体に及ぼす影響に関しては、日本よりもアメリカの方がはるかに研究が進んでいて、ストレスを起こす出来事が数量化されている。これは精神科医トーマス・ホームズとリチャード・レイチーによるもので、過去一年間の間に、合計百五十点以上の場合は50%の確率で、また合計三百点以上の場合は90%の確率で病気になることが確認されている。ちなみにストレスとなる生活上の出来事、およびそのポイントは次のようなもの。「配偶者の死」(100)「別居または愛の終わり」(73)「不倫」(65)「大きなケガや病気」(53)「仕事に不満足」(45)「一日一時間以上の通勤時間」(38)-。 ほかにもごく日常的なあれこれがストレスとして数量化されていて驚くが、注意したいのは悪いことばかりではなく、いい出来事もやはりストレスとなるということである。たとえば「最近結婚した」(53)「計画内の妊娠」(40)「個人的に大きな達成」(28)「休暇」(13)「クリスマス」(12)といった具合いに。

 ホームズとレイチーによる生活ストレス尺度の表を眺めていると、ほとんどあらゆる出来事がそれぞれにストレスを引き起こすような気分になってしまうが、実際のところ、生活していくとは、そういうものであるのかも知れない。避けて通れないものである以上、肝心なのはどうやってストレスを解消していくかということだろうが、これは個人によって方法がまったく違うだろうから、数量化して表にすることはできないだろう。何やらもどかしい話である。

                                                                              城戸朱理(詩人)

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