養生のためにお金を使い過ぎ、結果お金の工面に困って痩せてしまうという意味。同類に、高価な生薬(しょうやく)の代表である「人參(にんじん)飲んで首くくる」というのもあります。はっきりした出典はないが、江戸時代から言い伝えられてきた諺です。現代でいえば、高価な健康補助食品を買うために食費を切りつめ、かえって栄養不足から病気になったなどの例が当てはまりましょう。もっと怖いのは、いわゆる秘薬ブームです。ひと昔前に話題となったバイアグラはもとより、医師に相談せずに勝手に用いたため、命にかかわる大事に至った薬も少なくありません。よく「中国何千年の秘薬○○」などというキャッチフレーズで、ガンや高血圧、糖尿病などの成人病からヤセ薬までいろいろありますが、気をつけたいものです。中でも成人病は、最近は生活習慣病と名前が変わるほど生活に密着した病気です。薬を用いる以前に、まず自分自身の食事、飲酒、喫煙、睡眠、運動の状態をふり返ってみては。薬に頼らぬヘルシーな生活を設計し、確実に実行することが何よりも大切かと思われます。

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